Webライターさんの中にはポートフォリオと呼べるページや資料、ご自身の情報がわかるホームページを作っていない方も多くいると思います。SNSのDMからお仕事を獲得されている方もおられますからね。
しかし自分の実績やどんな仕事が得意なのか、情報をまとめておくのはとても大切なこと。
デザイナーやイラストレーターの方々に比べると、ポートフォリオやWebサイトを持っている人は少ないため、ちゃんと作っているだけでも大勢のWebライターから頭一つ抜けることがきっとできるはず。
言い方を変えれば「仕事を依頼されるための最低限の準備をしていない」ライターが多すぎるのです。
今回の記事では、ライターがポートフォリオ、ポートフォリオサイトを作るときに気をつけるポイント、どんな情報をまとめておくのが良いか、さらにWebライターなら自分の運営するブログを持っているメリットをご紹介します。
▼ポートフォリオに最適なツールのおすすめはこちらの記事からどうぞ
ポートフォリオに必須な6つの書くべき項目
ポートフォリオを作る時に大切なのは、ライティングや仕事を依頼したいと考える方にとって事前に知りたい情報が整っていること。
依頼する方がライティングの依頼について詳しくない可能性もあります。
そういった状況の方でも不安がなくご依頼ができるような内容を目指して、ポートフォリオの構成や内容を考えていきましょう!
- プロフィール
- 得意・対応可能なジャンル
- 連絡方法、やり取りの流れ
- 仕事の環境、使用ツール、稼働時間
- 料金・プラン
- 実績・案件の紹介
- 問い合わせフォーム
1.基本的なプロフィールをまとめる
自分がどのような人なのか基本的なプロフィールをまとめましょう。
プロフィールは長すぎても読まれない可能性がありますが、短いとどんな人か伝わる情報が少なすぎてしまいます。
プロフィール作りのポイント
①300〜500文字程度の簡易なプロフィールをまず作る
どんなジャンルや媒体をメインに仕事をしているか、どんな信念・理念を持って仕事に取り組んでいるのか、大まかな経歴や経験年数はどれくらいなのかを読み切れるボリュームでまとめることで第一印象を伝えやすくします。
②その後に項目を分けて必要な情報を補足する。
見出しやセクションごとにしっかり分けて書くのがポイントで、箇条書きなども積極的に使うとわかりやすくなります。
興味を持ってくれた人は、あなたの情報をもっと知りたいはずですから、情報は段階をわけて伝えると効果的です。
2.得意なジャンル、対応可能な業務内容
次に得意なジャンル、対応可能な仕事をまとめます。
まとめ方として自分の得意なジャンルや執筆経験がある業界を伝える。また業界に詳しい証明や携わってきた経験などがあれば記載しておくと信頼性があがります。
どのような業務を受けられるかを記載しておくことも大切です。
例えばWebライティングのご依頼であっても、検索向けの記事の執筆からWebサイトのリライトかもしれませんし、何らかの目的を持ったランディングページなどの、セールスライティングかもしれません。
お客さんがわざわざ記載がないことで「この業務も受けてくれますか?」と質問することは、ほぼありません。
質問をしてもらう手間を省くためにも、対応可能な業務をしっかり書いておきましょう。
3.料金・プランや見積もり目安を書く
それぞれの依頼に対してどれくらいの費用なのか見積もりを作りやすいように、おおよその料金を書いておきましょう。
記事のライティングの場合、文字単価で書く方も多いと思いますが、1記事に対する費用、案件ごとの費用など、ご自身の依頼の受け方に合わせた料金やプランを記載しましょう。
記事やライティングの依頼が始めての方には、文字単価よりも記事の費用がわかったほうが依頼しやすいことが多いはずです。
また費用のお支払いのタイミング、振込手数料の負担の有無なども事前に書いておくと依頼する方は見積もりや声をかけやすくなるはずです。
●インボイス制度の対応の有無は書くべき?
登録番号を持っている方は、ホームページやWeb上でインボイス対応済み、の記載を一言入れておくと安心されるかもしれません。
ただし番号までホームページやWeb上で記載する必要はありません。
インボイス対応をしているかどうかで、ご依頼をする方の事務対応が変わる場合があるからです。
見積もり計算がしにくい・安くされやすい「文字単価制」
クラウドソーシングなどで『1文字◎円』と書いて、費用目安としている方もいますが、記事1本・案件1本あたりの目安費用は書いておくべきでしょう。
Webライティングをご依頼する方に、毎回文字数に合わせて記事単価の計算をさせますか?
自分で計算するから問題ないという方もいるかもしれませんが、その計算をクライアントはどう信頼すればいいのでしょうか。
1円端数は切り上げ、切り下げ?10円代の金額はどうするのか?参照URLなどは文字数に含めるのか?
実際に費用を支払い、見積もりを考える方へこんなに細かくて面倒なことを気にさせる時点で、依頼をやめる方もいます。
自分の都合ではなく、依頼する方のことを考えて費用感はわかるように伝えましょう。
1文字2円文字以上です!とドヤ顔で書かれても、信頼性を保証する情報にはなりません。
4.連絡方法・やり取りの流れ
最もあなたと連絡が取りやすい方法についても記載しておきましょう。
近年はオンラインでの仕事や業務が広がっていることから、ChatWorkやSlackなどのチャットツール、ZoomやGoogleMeetsなどのオンライン会議ツールなどを指定されることが多々あります。
すべてのツールにアカウントを作っておく必要はありませんが、有名なものや企業などで多く利用されているツールの最低限の使い方を事前に知っておくのはとても大切です。
またテキストのみのやり取りの場合は、テキストコミュニケーション力や仕事の概要を伝えるために資料やドキュメントを共有する必要もあるかもしれません。
仕事の内容以前の部分ではありますが、コミュニケーションコストも依頼する側にとって大切な問題です。
使えるツールや連絡が取りやすいものを明記しておきましょう。
5.問い合わせフォーム・連絡窓口の掲載
最後は興味を持ってくれた人、依頼を検討している方向けに、問い合わせ窓口を掲載しておきましょう。
Webサイトの場合はメールフォームが作りやすく、PDFやスライド資料で作っている場合は連絡がつきやすいメールアドレスを書いておきましょう。
またすぐに依頼がないけれど繋がっておきたい、今後の活動の様子を見ておきたいと考える依頼主の方もいるはずです。
そのため普段の情報発信を行ったり、動かしているSNS情報も掲載しておきましょう。
TwitterやFacebook、noteなど様々なSNSがありますから、アカウントがありチェックしているものは書いておきましょう。
またあまり見ていないものに関してはその旨も書いておき、一番連絡が付きやすいものの目安として書いておくと安心です。
6.実績をまとめる
上記で記載したジャンルでの執筆記事や業務に関して、自分が担当した仕事や案件をまとめていきましょう。
実績をまとめる際は、可能な限り案件を受けた背景やかかった工数や期間、費用などの情報も記載しましょう。
特に会社に勤めていたときの実績・経験や、業務委託などの案件は外部に出しにくいものも多いと思います。
- 何ができる人なのか明確にわかってもらう
- 安心して仕事を任せてもいいと思ってもらう
- 仕事を依頼する際のイメージが湧くようにつくる
案件によって外部へ詳細が出せない場合は非公開実績、問い合わせを頂いて対面や打合せなどのクローズな場でのみ見せられるように準備しておくことも大切です。
Web上にまとめる
- 自分でブログ、Webサイトをつくる
- ブログサービス、ポートフォリオサービスを利用する
- Google Drive、Googleスライド、Canvaなどのサービスを使う
オススメは「WordPress」ですが、準備に時間をかけられないときは、noteもオススメです。
非公開実績はPDFなどでまとめる
Web上や常に見れる状態にできない実績は、PDFやGoogleスライド・ドキュメントなど、公開範囲を管理できるものにまとめておきましょう。
対面で話せるタイミングやオンラインミーティングなどの、限られた場所と相手にだけ見せられるように準備をしておくと、公開実績以外の案件も相談してもらえるといったチャンスがあります。ぜひまとめておきましょう。
Webライティング実績のまとめかた
ポートフォリオ作りでプロフィールや依頼条件と同じく大切なのは実績情報の書き方です。
記事の依頼と一言で言っても、構成やリサーチから任せられるのか、記事の完成にかかる日数はどれくらいなのか、過去に経験した実績をしっかり伝えることが大切です。
実績・案件ごとに書くべきこと
- 案件での業務内容(取り組んだ範囲)
- 制作の目的やご依頼の意図
- かかった工数や時間
- 目安費用、業務のやり取りの流れなど
実績公開の許可やどこまで掲載しても良いかクライアントに必ず確認する
案件によっては執筆者の名前の公開NGや、案件で知り得た内容や情報を外部に公開しない、秘密を守る契約を結んだ場合は、実績公開は気をつけましょう。
その会社にとって守秘義務に関わる大切な情報を勝手に外部に漏らしてしまうことは、あなたの信用問題に関わり最悪の場合訴えられる可能性もあるからです。
必ず依頼をしてくれたクライアント様に実績として公開しても良いか、どこまで公開が許されるのか、確認をしましょう。
実績情報に工数や流れを書くのは、依頼イメージを持てるようにするため
実績の項目に工数やかかった時間などを書く理由は、そのポートフォリオを見て似た案件を依頼する際にどのような流れを追うのかイメージしやすいようにするためです。
普段から依頼に慣れている方ばかりではありませんから、始めて依頼を検討している方にもわかりやすくすることで、依頼を検討している多くの方にわかりやすく実績とやりとりまでを見せることができます。
依頼をするということは、お金・報酬を支払うこと。ポートフォリオの時点で信頼を得られる情報を見せられるように意識してつくってみましょう。
未経験・初心者向けのポートフォリオの作り方ポイント
まだ実績が少ない・あまり発表できる記事や案件がないという場合は、ご自身の仕事の姿勢や得意ジャンル、自分が仕事をする上で大切にしていることなどを書きましょう。
未経験でもこの人なら安心して任せられそう、途中で音信不通になったりしなさそう、仕事のパートナーとして信頼できる人かどうかを示すことが大切です。
その間に、実績を増やす活動を行っていきましょう。
実績がほしいからと無償では受けるのはNG、値引きはあり
実績を作るために無償・もしくは著しく安い金額で案件を受けてしまう方がいますが、実績がほしいあまりその方法を使ってしまうのはおすすめできません。
「経験が浅いから無償でやってくれる」という印象がついてしまうと、なかなか正規の金額や優勝の依頼に戻すことが難しくなるからです。
その代わり、実績掲載を条件に期間限定や一時的に条件付きで値段を下げているという形で、お試し価格で案件を受けるのは手段として有効です。
ライター以外の実績・就業経験があれば書いておく
まだライティング案件の実績がない場合は、それ以外の実績を書いておきましょう。
ライターになる前にやっていた仕事や就業経験などが該当します。
例えば接客業をしていて、アパレル販売の経験があるとしましょう。
その場合、接客業経験の中で培ったことやアパレルに関する知識があると伝えることができます。
もしファッション系のライティングを求めている人がいたら、あなたに声をかけてくれるかもしれません。
しかし自分がやりたくない業種、過去にやっていた仕事が好きではなかったなどアピールがしにくいという方もいるかも知れませんが、ライターとしての実績が増えてきたら記載を減らせば大丈夫です。
実績の欄に何も書けない、特徴がない状態で記憶に残してもらえないことが、一番の問題です。
実積がないからといって焦る必要はありません。
自分が持つ経験やいま取り組んでいることを書いてひとまず埋めておく。そこから自分がほしい仕事の実績を取れるように頑張っていきましょう。
自分のやりたい仕事、興味があることを書いておく
そして実績がない状態ではあっても「自分のやりたい仕事・興味があること」を書いておきましょう。
興味がある仕事は頑張れる、情報収集にも積極的に取り組んでいるなど、そのジャンルや業界・やりたいことに対して何らかのポジティブな行動があると思います。
そうした活動や興味が深いことを知ってもらうことで、たとえ未経験でも興味が高い、仕事への意欲が高いのなら採用したいという方が現れるかもしれません。
やりたいと言わないことは、向こうから勝手に依頼が来ることはありません。
引き寄せの力、ではありませんがやりたいことをアピールすることは、仕事の獲得に関してはとても大切です。無理かもしれないな…と思わず、ぜひ書いてみましょう。
仕事を持っていそうな方とつながる
最後は少し難しく感じるかもしれませんが、「仕事を持っている人・紹介してくれそうな人」とつながることも上手な営業方法の一つです。
仕事を持っている人とは、企業やメディア運営などなんらかのサービス・ビジネスを展開していている相手のこと。自分で事業をする、仕事を作る側の人たちとつながることで、ライターが必要になったとき・あなたにお願いできそうな仕事や案件ができたときに声をかけてくれるかもしれません。
紹介してくれそうな人は、人とのつながりをたくさん持っている人やコミュニティの運営者や主催者、スクールの先生や交流会をしている方などです。定期的に人とのつながりを更新している相手と自分も繋がっておくことです。
多くの未経験を突破する最初の仕事は「紹介」が多いです。
紹介してもらうにはしっかりやりたいことや自分がどんな人なのか知ってもらい、「紹介しても問題がない人だ」と思ってもらうことが大切です。
ライターもポートフォリオは必須!作って差をつけよう!
今回はWebライターでも用意して作っておきたいポートフォリオの作り方について、ご紹介をしました。
とはいえ、自分の実績やできることを棚卸ししてまとめるのは大変な作業だと思います。
すぐに全てを揃えるのは難しいかもしれませんが、少しずつ作っていくことで新しい仕事を呼び込めえるチャンスが生まれるかもしれません。
ぜひ少しずつでも取り組んで、他のライターさんと差別化できるポートフォリオを作りましょう!